この記事は 9 月 29 日に英語版ブログに掲載された記事を翻訳したものです。



概要

ユーザーの安全性に関わる取り組みの一環として、Google Workspace では、Google のユーザー名とパスワードの共有が必要なログイン方式をとるサードパーティ アプリまたはデバイスのサポートを終了します。この旧式のログイン方式は、安全性の低いアプリ(LSA)として知られており、ユーザーをより高いリスクにさらします。この方式では Google アカウントの認証情報をサードパーティ アプリおよびデバイスと共有する必要があるため、不正な行為者がより簡単にユーザー アカウントに不正アクセスできる可能性があるためです。
 
 
代わりに、今後は「Google でログイン」の使用が求められます。これはメールを他のアプリと同期するよりも安全な方式です。「Google でログイン」で利用される OAuth 認証は業界標準のより安全な方式で、すでに大多数のサードパーティ アプリおよびデバイスで使用されています。
 
 
この変更は 2019 年に発表したもので、このたび最新のタイムラインを共有する準備が整いました。
 
 
安全性の低いアプリ(LSA)へのアクセスは、次のように 2 段階で無効になります。
  1. 2024 年 6 月 15 日以降:
    • 管理コンソールから LSA 設定が削除され、この設定を変更できなくなります。設定を有効にしているユーザーはこの時点では接続可能ですが、無効にしているユーザーは LSA を利用できなくなります。CalDAV、CardDAV、IMAP、SMTP、POP などのプロトコルを使用して、Gmail、Google カレンダー、コンタクトにパスワードのみでアクセスできるすべてのサードパーティ アプリが対象です。 
       
    • ユーザーの Gmail 設定から、IMAP を有効または無効にする設定は削除されます。
       
    • この日より前に LSA を使用していたユーザーは、引き続き 2024 年 9 月 30 日まで使用できます。
       
  2. 2024 年 9 月 30 日以降:

この変更の一環として、Google Sync も廃止されます。
  • 2024 年 6 月 15 日以降: 新規ユーザーが Google Sync を使用して Google Workspace に接続できなくなります。
  • 2024 年 9 月 30 日: 従来の Google Sync ユーザーが Google Workspace に接続できなくなります。Google Sync から組織を移行する方法は次のとおりです。組織での Google Sync の使用状況を調べるには、管理コンソールで [デバイス] > [モバイルとエンドポイント] > [デバイス] に移動し、[種類]: [Google Sync] でフィルタします。
 

この変更に関する管理者、エンドユーザー、デベロッパー向けガイダンスは、以下をご覧ください。

 

対象

管理者とエンドユーザー
 


必要なご対応について

管理者
エンドユーザーの準備
Google Workspace アカウントでこの種類のアプリの使用継続を希望するエンドユーザーは、OAuth と呼ばれるより安全なアクセス方式に切り替える必要があります。今後数か月以内に、組織内で影響を受けるユーザーについての詳細がメールで届きます。ユーザーが必要な変更を行えるように、後述するユーザー向けの手順を共有することをおすすめします。
 
 
モバイル デバイス管理(MDM)への影響
組織でモバイル デバイス管理(MDM)プロバイダを使用して IMAP、CalDAV、CardDAV、POP、Exchange ActiveSync(Google Sync)のプロファイルを設定している場合、これらのサービスは段階的に終了となりますのでご注意ください。スケジュールは次のとおりです。
 
 

2024 年 6 月 15 日

パスワード ベースの IMAP、CalDAV、CardDAV、STMP、POP、Exchange ActiveSync(Google Sync)の MDM プッシュは、LSA に初めて接続するユーザーでは使用できなくなります。
 

Google エンドポイント管理を使用している場合、CalDAV と CardDAV の「カスタムのプッシュ設定」を有効にできません。

2024 年 9 月 30 日

パスワード ベースの IMAP、CalDAV、CardDAV、SMTP、POP の MDM プッシュは、既存ユーザーで使用できなくなります。管理者は MDM プロバイダを使用して Google アカウント をプッシュする必要があります。これにより、OAuth を使用して iOS デバイスに Google アカウントが再追加されます。

パスワード ベースの Exchange ActiveSync(Google Sync)の MDM プッシュは、既存ユーザーで使用できなくなります。管理者は MDM プロバイダを使用して Google アカウント をプッシュする必要があります。これにより、OAuth を使用して iOS デバイスに Google アカウントが再追加されます。

Google エンドポイント管理を使用している場合、「カスタムのプッシュ設定 - CalDAV」と「カスタムのプッシュ設定 - CardDAV」(設定の詳細はこちら)は無効になります。

スキャナ、その他のデバイス
メール送信に簡易メール転送プロトコル(SMTP)または LSA を使用するスキャナやその他のデバイスは、OAuth または別の方式を使用するように設定するか、デバイスで使用されるアプリ パスワードを設定する必要があります。
エンドユーザー
ユーザー名とパスワードのみで Google アカウントにアクセスするアプリを使用している場合、引き続きメール、カレンダー、連絡先にアクセスするには、次のいずれかの対応をとる必要があります。対応がとられなかった場合、2024 年 9 月 30 日以降、ユーザー名とパスワードの組み合わせが正しくないというエラー メッセージを受け取るようになり、ログインできなくなります。
メール アプリケーション

Outlook 2016 以前

Microsoft 365(旧 Office 365 で、ウェブベースの Outlook)、Outlook for Windows、または Outlook for Mac に移行します。いずれも OAuth アクセスをサポートしています。
 

別の方法として、Google Workspace Sync for Microsoft Outlook を使用することもできます。

Thunderbird またはその他のメール クライアント

Google アカウントを追加し直し、OAuth で IMAP を使用するように設定します。

iOS や macOS 上のメールアプリ、または Outlook for Mac でパスワードのみを使用してログインする

アカウントを削除し、追加し直す必要があります。アカウントの再追加後、[Google でログイン] を選択すると、自動的に OAuth が使用されます。

macOS:

iOS:

 
 
 
カレンダー アプリケーション
  • カレンダーへのアクセスにパスワード ベースの CalDAV を使用するアプリの場合、OAuth 対応の方式に切り替えます。Google Workspace アカウントで使用する最も安全なアプリとして Google カレンダー アプリ [ウェブ / iOS / Android] をおすすめします。
  • Google Workspace アカウントが iOS または macOS のカレンダー アプリに紐付けられ、ログインにパスワードのみを使用している場合、デバイスからアカウントを削除し、追加し直す必要があります。アカウントの再追加後、[Google でログイン] を選択すると、自動的に OAuth が使用されます。詳細
 
 
連絡先アプリケーション
  • Google Workspace アカウントの連絡先を CardDAV 経由で iOS または macOS と同期し、ログインにパスワードのみを使用している場合、アカウントを削除する必要があります。アカウントの再追加後、[Google でログイン] を選択すると、自動的に OAuth が使用されます。詳細
     
  • Google Workspace アカウントの連絡先を CardDAV 経由で他のプラットフォームまたはアプリと同期し、ログインにパスワードのみを使用している場合、OAuth 対応の方式に切り替えます。

 
その他すべてのアプリケーション
使用しているアプリが OAuth 非対応の場合、OAuth 対応のアプリに切り替えるか、アプリへのアクセス用にアプリ パスワードを作成する必要があります。

 
 
デベロッパー
Google Workspace アカウントとの互換性を維持するには、接続方式に OAuth 2.0 を使用するようにアプリを更新します。はじめに、OAuth 2.0 を使用した Google API へのアクセスについて、デベロッパー ガイドをご覧ください。モバイル&デスクトップ アプリ向け OAuth 2.0 についてのガイドもご確認ください。

 
個人の Google アカウントをご利用のユーザー: 今後数週間以内に、Gmail の設定から IMAP を有効または無効にする切り替えを削除する予定です。IMAP アクセスは OAuth 経由で常に有効です。現在有効な接続に影響はありません。ユーザーの側での対応は必要ありません。
 

対象

  • この変更は Google Workspace をご利用のすべてのお客様に影響します。
 

関連情報